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玉水会病院

-Gyokusuikai Hospital-

循環器内科

循環器の病気について

循環器内科では狭心症、心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症、心不全など心臓の病気や深部静脈血栓症、末梢動脈疾患など血管の病気のほか、心臓病・脳血管障害の原因となる生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の診断・治療をおこなっています。
胸痛、動悸、息切れ、めまい、むくみ、歩行時の足の痛みなどの症状がみられる場合や自宅での血圧が高い、健診でコレステロール、尿酸、血糖値などが高い場合にもぜひご相談ください。

病気解説

高血圧

高血圧は心臓病や脳卒中の最大の危険因子で「がん」に次ぐ死亡原因です。
高血圧治療の目的はこれらの病気で不自由な生活となることや亡くなってしまうことを予防することです。
診察室血圧140/90mmHg以上、家庭血圧135/85mmHg以上で高血圧と診断されます。治療ではまずは生活習慣の改善(非薬物治療)が重要です。
減塩を中心とした食事療法、運動療法、アルコール制限(ビール500mL、焼酎0.5合、ワイン2杯、日本酒1合※女性は約半分に制限)、肥満の改善(BMI25未満)、禁煙などが必要です。
生活習慣の改善のみで目標値まで血圧が下がらない場合はその人にあった降圧剤しっかり服用することが大切です。
すみやかな降圧目標(75歳未満では家庭血圧125/75mmHg未満目標、75歳以上ではまずは135/85mmHg未満目標としリスクに応じて125/75mmHg未満目標)達成と治療継続で快適な生活が続くよういっしょに頑張っていきましょう。

脂質異常症

脂質異常症は動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、アテローム血栓性脳梗塞)の危険因子です。LDL-C(悪玉コレステロール)140mg/dL以上、HDL-C(善玉コレステロール)40mg/dL未満、トリグリセリド(中性脂肪)150mg/dL以上、Non-HDL-C(ノン-HDLコレステロール)170mg/dL以上で脂質異常症と診断されます。
治療では高血圧と同様の生活習慣改善に加えて肉の脂身やバター、ラードを控えて魚や植物由来の油を積極的に摂ることが必要です。生活習慣の改善のみでは目標値を達成することが困難な場合も多く、その場合は脂質異常症治療薬を服用することが大切です。治療を継続するためには患者さん自身も自分の目標値を知っておくことが必要です。
「皆さんはご自分の目標値を知っていますか?」
LDL-Cの目標値は動脈硬化性疾患の発症リスクによって70/mgdL未満から160mg/dL未満と異なるためまずは主治医の先生へ確認してみましょう。

虚血性心疾患

心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓の筋肉(心筋)に血液を送っている血管(冠動脈)の血流が悪くなって起こる病気を虚血性心疾患といいます。
動脈は高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙などによって血管の弾力性が失われ硬くもろくなります。ダメージを受けた血管の内側にコレステロールが沈着(プラーク)することもあります。
これらを併せて「動脈硬化」と呼びます。
冠動脈に動脈硬化が起こって冠動脈プラークの破綻とそれに伴う血栓形成が生じると冠動脈に高度狭窄や閉塞をきたして急性心筋梗塞や不安定狭心症となってしまいます。
また、冠動脈の器質的狭窄が高度になると労作時の胸痛や息切れの原因となる安定狭心症となります。虚血性心疾患の中には、冠動脈に器質的狭窄を伴わないもの(冠攣縮性狭心症や微小血管狭心症など)もあります。
これらの疾患は早期診断、早期治療が必要ですがそれに加えて再発予防のためには危険因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙など)のコントロールが重要です。

心房細動(不整脈)

心房細動は日常健診で遭遇するもっとも一般的な不整脈で、脳梗塞(脳梗塞全体の20-30%は心房細動が原因です)や心不全の原因となります。また、認知症との関連も報告されています。心房細動の原因としては高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などから知られていますがなかでも高血圧がもっとも重要な危険因子です。
心房細動の治療では、まず脳梗塞などの血栓感染症リスクを評価して適切な抗凝固療法を行うことです。また、心房細動では心拍数が速くなる場合が多く動機や息切れの原因となることも多く場合によっては心拍数をコントロールする薬物治療や洞調律(正常心拍)へ戻すための薬物治療・カテーテルアブレーションを行います。

心不全

心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です。
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、高血圧、心臓弁膜症、心筋症、不整脈(心房細動など)などを原因とする心疾患の終末像と考えられます。
心不全の発症・進行・再発予防のためには生活習慣の改善、高血圧、糖尿病などの危険因子をコントロールし心疾患発症を予防、心疾患を発症した場合は治療をしっかり行い病気の進展を予防して心不全発症を予防することが大切です。
残念ながら心不全を発症した場合には適切な薬物治療および非薬物治療により予後の改善と症状を改善させることが大切です。

診察日・診察時間

午前 9:00〜13:00
午後 14:00〜18:00

病気解説

心筋梗塞、狭心症

心臓の冠動脈に動脈硬化が起こり、冠動脈が狭くなっておこる病気が狭心症、心筋梗塞です。前胸部の疼(とう)痛が主な症状として
現れます。

予防・治療法

症状の現れた患者様に対し検査を行い、心筋梗塞と診断され早急にその後の処置が必要とされた場合は、処置可能な協力病院へお送りしています。

高血圧

高血圧は、日本人に多い病気です。多い理由は、他の国と比較して塩分摂取量 が多い為と言われています。日本における高血圧のガイドラインでは最大血圧140mmHg未満で管理することになっています。

予防・治療法

薬物療法が取られるのが通常ですが、まず日常の生活習慣の改善を心がけ食事面でいえば塩分・脂肪の取りすぎ、野菜不足に注意します。また運動を心がけ、適正体重を保つように努力します。その他飲酒、喫煙もほどほどにしましょう。
さらにストレスを解消できる方法を見つけ、日頃からストレスを減らすよう心がけましょう。お年寄りは、寒暖の差の激しい部屋へ移動したりする場合は一時的に血圧が上がりますので、あらかじめ部屋を暖めておくなどの工夫をするとよいでしょう。

高脂血症

血液中に中性脂肪が異常に多い状態のことです。中性脂肪は人が生きていくのに必要な成分ですが、これらが増えすぎると体のバランスが崩れてしまいます。高脂血症には、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、高HDL血症などがあります。 遺伝性、もしくは不適切な食事や運動不足が原因で、血中の脂質が過剰となり、動脈硬化を引き起こして虚血性心疾患などの様々な病気をもたらします。

予防・治療法

食事療法、運動療法が中心となります。まず、コレステロールの多い食べ物や 脂肪、カロリー、糖分やアルコールを摂りすぎず、不飽和脂肪酸、食物繊維を多く取ることが必要です。 
また運動療法により、動脈硬化をおこすLDLを低下させ、動脈硬化を予防するHDLを増加させます。また、中性脂肪、血圧、および血糖も低下させるので、高脂血症・脂質代謝異常症の治療および動脈硬化症の予防に有効です。この他に薬物療法もありますが、こちらについては主治医の先生にご相談ください。

不整脈

不整脈の症状には、動悸(き)が現れたり、脈が異常に早くなったり遅くなったりするなどが挙げられます。不整脈は内服薬又は注射薬で止まる場合がほとんどですが、中には心室頻拍、心室細動のように生命に関わる危険な場合ものもあります。また、洞機能不全症候群、完全房室ブロックの場合には、当院でペースメーカーの植込みを行なっています。さらにWPW症候群の場合は、協力病院へ紹介し、入院して治療を受けていただいております。

心不全

心不全の症状としては、呼吸が苦しい・横になって眠れない・体がむくむ等、日常生活が不自由となる症状が現れます。当院は、心電図、胸部レントゲン、心エコー検査等の検査を行い、心不全の治療を数多く行なっています。

末梢(しょう)血行障害

抹梢(しょう)血行障害は、抹梢(しょう)血管、特に両下肢の動脈の血流が悪くなり、血管が閉塞するなどしておこります。症状として、足のしびれ、特に歩いた時にしびれが著明となり疼(とう)痛が現れます、歩けなくなります。当院では、血管の動脈硬化の程度を脈波検査にて検査することができます。

予防・治療法

治療は内服や、症状の強い場合は入院での血流改善の治療などを行います。

心臓病について

若い人にも狭心症・心筋梗塞が増えている

心臓の周りには心筋に酸素や栄養を送っている冠動脈という血管があります。この血管が動脈硬化で狭くなり心筋に酸素不足が起こるものが狭心症,完全に詰まって心筋の壊死が起きるものが心筋梗塞で壊死が広範囲な場合には死に至ることもあります。また狭心症と心筋梗塞を合わせて虚血性心疾患と呼んでいます。最近では,30~40歳代の働き盛りの人にも増えているので,虚血性心疾患を起こしやすい危険因子を減らすことや,運動負荷試験などの検査を受けることが必要です。

虚血性心疾患
虚血性心疾患の危険因子
  1. 高血圧症
  2. 高脂血症
  3. 糖尿病
  4. 喫煙
  5. 肥満
  6. 運動不足
  7. 慢性ストレス
  8. 家族に虚血性心疾患の人がいる(家族歴)
狭心症と心筋梗塞のちがい
心筋梗塞狭心症
胸痛の特徴締めつけられるような激しい痛み。不安感、
重症感がある。
突然、締め付けられるような重苦しさ、圧迫感がある痛み。
発作の持続時間15分以上。数時間続くこともある。1〜5分程度で長くても15分以内
ニトログリセリンの効果効果がない多くの場合著効

血液は身体のあちこちにたくさんの情報を流す役割を持っています。血液がなかったら人間は生きていくことができないくらい、大事な働きを持っているのです。それでは、具体的にどのような働きを持っているのか考えてみましょう。

血液の役割について…
第1に、酸素を身体中の組織に運び、二酸化炭素を取り出します。

人間は呼吸をするときに、空気中の酸素を吸って二酸化炭素を吐き出しますが、それは肺という器官で行われます。その吸い込んだ酸素は、肺から血液中に取り出され、血液の中にある赤血球に乗せて全身に運ばれます。そして、体内の組織に酸素を配り、そこで取り出された二酸化炭素を肺へ運び出すのが、血液の役割なのです。

第2に、栄養素を消化管から各器官へ運びます。

私たちが食べた食べ物は、そのままの形で身体の中には残らず、消化管で細かい栄養素に分けられます。その栄養素を蓄えておく器官や各組織に栄養素を運ぶのも、血液の役割なのです。

第3に、身体の中で必要なくなった成分を、排泄器官に運び出します。

人間が活動するときに使われるエネルギーを作るときには、不必要な老廃物ができます。その老廃物は身体の外に出す必要があり、それを各組織から排泄器官へ運び出すのも、血液の役割なのです。例えば、尿素という老廃物は、各組織から血液を経て、腎臓・膀胱を通 り、やがて尿(おしっこ)となって出てきます。

第4に、ホルモンを各組織に運びます。

ホルモンとは、内分泌腺で作られる物質で、身体の調子を整える役割を持っています。例えば、ホルモンには、血液の中にあるエネルギーのもとになる栄養素の量 を増やしたり減らしたりするものもあります。このようなホルモンを身体中に運ぶのも、血液の役割なのです。

第5に、作られた熱を身体全体に広め、体温を調節します。

人間は、体温を一定に保っている必要があり、一部の場所だけが極端に体温が高かったり低かったりしたら、活動できません。ですから、暑すぎたり運動したりして体温が上がりだしたら、血液の流れを多くして、熱が外に出ていくようにします。逆に、寒すぎて体温が下がりだしたら、血液の流れを少なくして、熱が外に出にくくなるようにします。このように、体温を調節して身体が活動できるようにするのも、血液の役割なのです。

第6に、抗体(免疫物質)を運びます。

抗体は、身体の中に入ってくる病原体や毒素をやっつける働きを持っています。血液は、これらの抗体を運ぶだけではなく、血液自身も白血球という病原体や毒素をやっつける組織を持っているのです。このように、身体を病気から守るのも、血液の役割なのです。

第7に、血液が流れ出すのを防ぎます。

けがをしたときには血が出てきますが、よほど大きなけがでないかぎり、出血はやがて止まります。血液の中には、血小板という組織があります。その血小板は、血管が破れて出血すると、自然に固まって止血する性質を持っています。このように、出血を最小限におさえ、身体の中の血液の量 を保つのも、血液の役割です。

以上のように、血液の役割について7点挙げました。
ここであげたように、血液は、人間が生命を維持していくために、欠かせないものなのです。
それでは、血液の構成はどうなっているか考えてみましょう。

血液の構成

血液は人間の全体重の7~8%を占めています。

例えば、50kgの人だったらどうなるでしょう。1kg=約1lと考えると、50×0.07=3.5kgとなり、50×0.08=4.0kgとなるので、個人差はありますがだいたい3.5~4lとなります。

血液には、血漿とよばれる液体が約55%、血球とばれる組織が約45%含まれています。
血漿には、血漿たんぱく・ミネラル塩・栄養素・老廃物・ホルモン・抗体・気体などが溶けています。血球には、赤血球・白血球・血小板があります。血球は赤血球の中で浮かんで流れていきます。

成人の血液の細胞は骨髄で造られます。
骨髄とは、骨の中で中空になっている部分に入っている赤くて柔らかい部分のことです。この骨髄は、年をとるにつれて脂肪に変化してしまい、血液を造る機能が減っていきます。赤血球・白血球・血小板は、形も働きも全く異なりますが、もとをたどると、幹細胞とよばれるものが親になってできています。このような血液を造る働きは、必要な栄養素が不足した場合、きちんと機能しません。

私たちが生きていく上で、血液は欠かせないものです。日頃の私たちの生活が不規則なものであったり、食事できちんと栄養を取らなかったりしたら、血液が正しく機能しなくなり、病気になったり、死に至ったりする恐れがあります。ですから、もう一度自分自身の生活をよく見直し、健康な生活が送れるように努力しなければなりません。

肥満大敵

肥満症

肥満は、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの成人病を起こす可能性が高くなる他、脂肪肝、腰痛、変形性漆関節症など全身に様々な影響を与えます。
皮下の脂肪組織をはじめ、体脂肪が増加している状態でエネルギーの供給が消費を上回ることによって、体内脂肪が過剰に貯蓄・貯蔵された状態をいいます。診断は厳密な体脂肪量 の測定を必要とし、標準体重の120%以上の体重のある方は肥満の傾向にあります。

肥満症には大きく分けて以下の二通りがあります。

単純性(本能性)肥満

アンバランスな過食と運動不足が原因とされます。

症候性(二次性)肥満

内分泌疾患、先天異常、視床下部疾患などが原因とされます。
単純性肥満においても、非肥満者に比べ糖尿病・動脈硬化症・肝・胆道疾患などの合併症の率が高く寿命も短いとされています。

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